ナメシ加工について

ナメシ加工について

弊社の設備について


国内の毛皮は勿論、世界各国で行われる毛皮オークションで競り落とされた毛皮を、スキンディーラー、毛皮専門店等より鞣製依頼を受けます。その為、各種機械設備の他、冷蔵庫、冷凍庫、薬品庫等を完備しています。

第一冷蔵庫
第二冷蔵庫
冷蔵庫 第二冷蔵庫

鞣製の基本工程

1.水戻し(Soaking)
乾燥した毛皮を、たっぷりの薬水につけて、柔らかい生皮の状態に戻します。水温や時間は、毛皮の種類によって異なります。
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剪打ち
2.剪打ち(Fleshing)
柔らかくなった毛皮をフレッシングマシンやブラッシングマシンなどの機械にかけます。この工程で皮についている皮下脂肪や皮下組織などを取り除いて綺麗にします。
以前はこの作業に、三日月状の「剪」という刃物を使っていたので、この工程を剪打ちといいます。
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3.脱脂洗浄(Degreasing/Washing)
動物臭・悪臭の原因となる獣脂を除去する。毛についている汚れや脱脂部分を洗い落とす。
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浸酸
4.浸酸(Pickling)
剪打ちを終わった毛皮は、脱水機に入れ余分な水分を取ります。
次に塩、酸等でPHを酸性にした液槽に毛皮をつけて、皮革中の脂やたん白質を出させ、皮の部分を柔らかな軽い状態にさせます。
また皮のPHを酸性状態にして、次のなめし工程の薬品が浸透しやすいように処理します。
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明礬なめし
5.明礬なめし(Alum Tanning)
なめし液には明礬を主体にした薬品の調整液を用います。
液中に皮を泳がせるような感じに入れて、ゆっくり回転させます。5分回転させたら2時間休むというように繰り返して、1〜2日間浸して、毛皮全体に平均になめし液を浸み込ませます。
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乾燥
6.乾燥(Drying)
なめし液から上がった皮を脱水機にかけ、皮を手伸ばした後に、水分調整のため乾燥機を使い乾燥します。
乾燥はできるだけ低温で、徐々に乾燥させるのがポイントです。
次の工程の為に少し水分を残して乾燥を終わります。
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バッケル
7.第一ステーキング(Staking)
乾燥が終わった毛皮は、バッケルという機械を用い、縦、横に物理的に伸ばす作業を行い、皮の繊維をほぐして柔らかい状態に仕上げます。
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ドライクリーニング
8.ドライクリーニング(Dry Cleaning)
第一バッケルを終えた皮はドライクリーニング機という機械を使って、再び皮の汚れや脂肪分を完全に洗い落とします。
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加脂
9.加脂(Oiling)
ドライクリーニングを終えた皮は、脂分がなく、水分がつくとごわついたりします。
これを無くす為に、人工的な脂分を皮に入れます。
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仕上げ おがドラム
10.仕上げ おがドラム(Finishing Drum)
加脂を行った皮は余分な水分を取ります。
おが屑に静電気防止剤・艶出し剤等をふり混ぜてドラム(太鼓)に入れ、回転させてもみ洗いします。
この処理で毛皮の脂分や汚れなどを完全に除去して、毛に栄養分を与えて艶のある美しい毛皮に仕上げます。
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11.第二ステーキング(Steaking)
毛皮を縦、横に伸ばしながら毛皮全体の形を整えて、最後の仕上を行います。また、バッケルをかけた後、毛のからみを直し、毛さばきを良くするためにブラッシングを行います。
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ビーティング
12.ビーティング(Beating)
ブラッシング後、毛皮に付着しているおが屑の微粉や浮き毛を機械的にたたき出す処理を行います。
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13.整形(Shaping)
これで艶のある美しい毛皮に仕上がり、毛皮を縦に引き伸ばしながら、形を整えて作業を完了します。
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このなめしの工程は、キツネやミンク等の一般毛皮に用いられる方法ですが、他の動物の場合も、本筋はほぼ同じような工程で行われます。 但し、動物や産地によって毛皮の状態はそれぞれ異なりますので、なめしの薬品、時間などはそれぞれに適切な方法がとられます。
これは、経験を積んだうえでしか会得できないような手加減の難しい仕事です。